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収 録 曲・・・・(Total 52'42")
1. Taking a chance on love
2. Fascinathing rhythm
3. Sweet and lovely
4. One note samba
5. Here's that rainy day
6. East to west
7. Georgis
8. I found a new baby
9. Round about midnight
10. Cherokee
熱田修二と宮之上貴昭とのスーパーコラボレーション!!

ブルース・オン・マイ・マインド
熱田修ニクインテット 

熱田修二(tp)、高橋達也(ts)、小川俊彦(p)、野中英士(b)、山下暢彦(ds)
録音日:1999年6月2日、3日   録音場所:出雲市民会館

 選曲とアレンジは、大ベテランの小川俊彦と高橋達也が当たった。アルバム・コンセプトは、前回と同じく、メイン・ストリームのハード・バップ・サウンドを希求するものとし1960-70年代の著名ジャズメンによるオリジナル曲とスタンダード・ナンバーを中心に据え、更に熱田自身のオリジナル傑作曲を加えた。実際のレコーディングは、ベニー・ゴルソン、フレディ・ハバード、アート・ファーマン、ジョー・ヘンダーソン、ケニー・ドーハム、クインシー・ジョーンズの作品6曲、スタンダード歌曲から2曲、熱田修二のオリジナル作品2曲の合計10曲に及んだ。ミキシングと音響についても万全を期し、オーディオ的にも完成度の高い音作りを目指した結果、最終的には、1曲(ケニー・ドーハムのBlues lnterlude)をカットして、計9曲が収録されている。演奏内容は、お聴き頂けば直ぐ判るように、東京でレギュラー活動を続ける多くのクインテットからは、なかなか聴けないような特色ある個性的なサウンドに満ちており、曲の構成やアレンジにも周到な配慮がほどこされ、現代に生きる2管コンポのあり方について一石を投ずる新作として注目に値する。
 演奏曲目について

1. コロネーション

熱田修二のオリジナルで、Fマイナーの32小節、マップ・テンポで演奏される。曲名は、熱田がカクテルの中から選んでつけたという。スピード感溢れる歯切れの良い演奏で、ドラム・ソロに始まり、2管のテーマ、高橋(ts)、小川(p)、山下(ds)ソロと続く。ビッグバンドアレンジにしてもおもしろい曲といえよう。

2. ブルース・オン・マイ・マインド

アート・プレイキーのジャズ・メッセンジャーズの有力メンバーとして、幾多の名曲を書いたテナーサックス奏者ベュー・ゴルソンが、1958年、United Artistレーベルに録音したBennyGolson’sPhiladelphiansというアルバムで発表したブルース・リー・モーガン(tp)、レイ・ブライアント(p)、パーシー・ヒース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)というすごいメンバーで、この曲の他にも、StablematesやAfternoonlnParisなどの名曲を含む名盤中の名盤であった。ゆっくりしたテンポで、高橋(ts)のみずみずしい音色、熱田(tp)のブルージーなリード、小川(p)のつぶやくような、一寸ベイシーを恩わせるプレイ、絶妙のリズムのバッキング、ライブだったら、もっとソロを聴きたいと恩わせるだろう

3. アップ・ジャンプト・スプリング

トランペットのフレディ・ハバードが、1966年Atlanticレーベルに吹き込んだBacklashというアルバムで発表したジャズワルツ調の可愛らしい曲。ジョージ・ケイプルスやウォルター・ビショップも演奏している。ミユートをつけたtpとtSのデユエットによるテーマの展開が面白く、ブラッシュによるドラミングとよくうたうベースのバッキングのソフトな味付が好ましい。続くPソロ、ミュートtpのソロ、bソロと曲調をいかしたサウンドが快く響く。

4. クインテセンス

名アレンジャー、クインシー・ジョーンズが、1961年にビッグ・バンドで発表したアルバムQuintessenceの中の標題曲で、クインシー独特のラプソディックで抒情味溢れる美しいバラッドである。ここでは、熱田のトランペット・ソロをフィーチュアして、しっとりと演ずる。

5. ザ・モア・アイ・シー・ユー

1945年の映画「ダイヤモンド・ホースシュー」の主題歌として、マーク・ゴードンとハリー・ウォーレンが作詞作曲し、主演のディック・ヘイムスの歌ったDecca盤がペストセラーになった。ジョニー・ハートマンが歌ったImpulse盤も出た。ジャズメンでは、ハンク・モプレイ(ts)が、1960年のRollCallというBlue Noteアルバムの中で演奏した。フレディ・ハバード(tp)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・プレイキー(ds)という超一流のメンバーによる名演として名高い。他にフィンアス・ニユーポーン(Cp)が、1956年のAtlanticレーベルHere ls Phineasの中で、ピアノ・ソロでプレイしている。軽快なテンポで、tpとtsの酒落たデュオによるテーマに続いてtp、ts、pが心地良いムードのソロで、聴く者を気楽な気分に誘う。ベテラン揃いならではの名人芸だ。
6. スプリング・キャン・リアリー・ハング・ユー・アップ・ザ・モースト

この美しいバラッドは、1955年セントルイスで上演されたミユージカル「ザ・ナーヴァス・セット」の主題歌として、トミー・ウォルフが作曲した佳曲で、’59年プロードウェイに進出したが、僅か23回でクローズするという悲運に見舞われた。しかしこの歌だけは、多くの歌手に愛好ざれ、ジャッキー&ロイのチームが早くも1955年に録音した他、マーク・マーフィ、カーメン・マクレエ、アイリーン・クラール、クリス・コナーらが次々と吹き込み、ダイアン・リーヴスも初期アルバムで歌った。ジャズメンとしては、スタン・ゲッッが1959年ストックホルムで録音し、1961年にも同地で演奏し、1963年には、VerveレーベルのStan Getzwith Stringsというアルバムの中で採り上げた。高橋達也は、このゲッツのプレイを聴いて気に入り、早くからライプで演奏してきたので、今回テナーのソロをフィーチュアした。なかなか洒落た味をもつバラッドで、高橋の歌うようなフレーズが,心にしみる。

7. ノー・ミー・工スクエツサ

テナー・サックスの人気奏者ジョー・ヘンダーソンが1971年マイルストーン・レーベルに吹き込んだInPursuitofBlacknessというアルバムの中で、作曲しプレイした曲。カーティス・フラー(tb)、ジョージ・ケイプルス(p)、スタンリー・クラーク(b)、レスー・ホワイト(ds)らを従えて、ヘンダーソンのtsをフィーチュアしたサンバ調のナンバーである。ここでも、ボサノバ風のリズムにのって、高橋(ts)、熱田(tp)がソロをとる。

8. クローバァー・リーフ

熱田修二自作のバラッドで、ゆったりとしたテンポで、熱田が思い切り、日常のトランペットヘの情熱をぶちまけて、切々と歌い上げる。硬軟強弱を巧みに使い分けた説得力あるプレイが胸を打つ。現役のプロもこれをきけば顔色を失うだろう。

9. ファーマーズ・マーケット

トランペットの名手アート・ファーマーが1956年NewJazzレーベルに吹き込んだFarmer’s Marketというアルバムのタイトル曲で、出だしはホレス・シルヴァーのOpusde Funkを思わせるようなファンキ一なムードいっばいのブルースである。ウォーデル・グレイの演奏したアルバムがあり、マーク・マーフィや、ランバート・ヘンドリックス&ロスが歌詞をつけて歌ったものもある。軽快なテーマに続き、P、tp、ts、bが、それぞれファンキーにリラックスしたソロを展開する。


1999年9月 記 瀬川昌久

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