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トロンボーン試奏レビュー①

トロンボーン試奏レビュー①

管楽器 2022年2月16日

こんにちは、岩﨑です！

今回は、トロンボーンの楽器試奏レビューをお届けしたいと思います！

↓これまでの試奏レビュー記事はこちら！

レビュアー紹介

今回、試奏/レビューしていただいたのは、「福庭礼子(ふくばれいこ)」先生です！

福庭礼子(ふくばれいこ) プロフィール

島根大学教育学部学校教育教員養成課程音楽教育専修（トロンボーン専攻）を経て、島根大学大学院教育学研究科教科教育専攻音楽教育専修修了。田中昭、小林泰一郎、若狭和良、櫻内教昭の各氏に師事。

島根県内外での演奏活動や、中学高校吹奏楽部の指導をはじめ、地元に根ざした活動や後進育成、「つながりの場」づくりに尽力している。県内小学校教諭。ふくたまフェスティバル主宰。

今回は、バック・ヤマハ・クルトワの3機種のレビューをしていただきました！それでは早速見ていきましょう！

Bach（バック）42B

Bach(バック)の伝統的なスタンダードモデルです。現代のトロンボーンの基準、礎となっているのが、「42B」です。『42B GL』はイエローブラスベル/ラッカー仕上げとなっており、明るく芯のある音色を奏でます。

F管ロータリーバルブは管の巻きが内側になっている「トラディショナルラップ」が採用されており、適度な抵抗感、締まりのある音色は演奏の幅をより深めてくれます。広いホールでも負けない力強い音色、幅広いダイナミクスレンジはオーケストラはもちろん、吹奏楽でも活躍してくれます。学生から大人の方まで幅広く人気の機種です。

講師コメント

「明るくて輪郭があり、豊かな響きの中にもしっかりと芯を感じられる音色でした。音のつながりがとてもクリアで、息を素直に音にしてくれます。全体的に安定した音質のため、奏者側で変にコントロールしなくても良い音で鳴らすことができそうです。

大きい音を出そうと強めに吹き込んでも音が荒れたり開いたりしにくく、楽器自体が演奏を助けてくれる感覚があり、とても安定した音質。B♭管とF管の切り替えも非常にスムーズで、演奏時の違和感は少ないです。
操作面では、ワイドスライド(スライド幅が広め)なので、ナロースライド（スライド幅が狭め）の楽器を吹いている方には慣れが必要かもしれません。(特に左手の持ち方やロータリーの操作)手の小さい方は支えるための補助具も各種あるので、支えにくい場合はそちらを使うのもよいと思います。

音域や音量に関わらず、満遍なく良い音で鳴らすことができます。変に鳴り切らなかったり音が散ってしまうなどの音質のムラがありません。奏者の方で音程の調整をかけないといけないところは少なく、ピッチに関しても安定していました。あと個体的な差かもしれませんが、今回試奏したものはF管を使った音が特に豊かに鳴ってくれました。

音量が求められるような吹奏楽・オーケストラのプレイヤーさんには特におすすめできると思いますが、オールジャンルな音楽で活用できるモデルだと思います。」

Bach（バック）　42B　商品詳細ページはこちら！

YAMAHA（ヤマハ）YSL-882O

ヤマハXenoシリーズの代表モデル『YSL-882O』はよりシンフォニックな響を奏でるオープンラップモデルです。F管ロータリーを緩やかに巻いた「オープンラップ」はB♭管との切り替えも音質・響き・抵抗感がほとんど変わらない吹奏感が得られます。
軽やかさ、息を入れたときの反応の良さは、人気の理由と言えるでしょう。
イエローブラス製の明るく張りのある音色、クリアラッカー仕上げの音抜けの良さは、繊細なピアニッシモからパワフルなフォルティシモまで広いホールでも隅々まで響き渡ります。
吹奏楽の学生から一般バンドのプレイヤーまで幅広い方におススメです。

講師コメント

「明るく軽快な音色で音程がしっかりと見え、それでいてまろやかで優しくワイドに広がる響きを併せ持ったサウンドです。非常に楽に鳴らすことができて、多少少ない息の量で吹いてもある程度いい音が出る印象です。楽器が音作りを助けてくれるような感覚です。特に中音域の音色・響きが温かみがあり良いので、それを基に音域を広げていけると全体的に良い音色で演奏していけると思います。

スライドアクションはとても滑らかで軽快。ナロースライド(スライド幅が狭め)なので手が小さめな方でも持ちやすいですし、ロータリーレバーの形状も指にフィットしやすく向きも調整できるので、そういった細かい機能面においても優れていると思いました。
スライドを動かした際の息の流れ非常にスムーズで、必要以上に息を持って行かれないので吹き心地が安定しています。まだ演奏に慣れていない方や学生の方にもおすすめできます。

小さい音でもレスポンスが良く、全体的なピッチの安定感はさすがヤマハといったところ。標準的なポジションでしっかりと音程が合います。ただ、大きい音を強く出す際は音が散らばってしまう感覚があり、ピッチも少し上ずるので少し意識してコントロールする必要がありました。

楽器が演奏を助けてくれるので、初心者の方や久しぶりに吹く方にもおすすめできそうです。また小さい音でもレスポンスが優れているので小編成やアンサンブルなど少ない人数のバンドでも活躍させることができると思います。」

YAMAHA(ヤマハ) YSL-882O 商品詳細ページはこちら！

Courtois(クルトワ) AC420MBO

クルトワ・トロンボーンの最も基本的な「“Legend”AC420」シリーズはラップ形状、ベル素材、スライド、バルブの組み合わせが27通りあり、『AC420MBO』はその中でも中間のモデルです。
「イエローブラスベル」の明るく張りのある音色、F管の巻が緩やかな「オープンラップ」の演奏時のB♭管とF管の切り替えの抵抗がスムーズな吹奏感、リードパイプにスターリングシルバーを採用した「ライトウエイトスライド」の息を入れたときの反応の良さと芯のある音色は軽く吹きたい方におススメです。
パワフルな音色のアメリカ系トロンボーンとは違い、ヨーロッパ系トロンボーンは華やかな音色が特徴的です。

講師コメント

「音質としては柔らかで温か、そして独特な余韻のある華やかな音色です。豊かな響きですがスッキリと聴きやすく、余計な雑味のないクリアで上品な印象を受けました。F管/B♭管とも自然に音が出やすく、音域による吹き心地のムラもありません。

スライドやロータリーレバーも含め、楽器の持ち心地は自然で、ほとんどの方にとって持ちやすい楽器だと思います。ワイドスライド(スライドの幅が広め)ですが、普段ナロースライドの楽器を使っている私でも違和感がありません。ロータリーのバネが若干強めに感じますが、その分レバーを離した際の切り替わりが素早くレスポンスに優れています。オープンラップの仕様のためF/B♭切り替え時の抵抗感の差も少ないので、ロータリー操作時の演奏はとても快適でした。スライドの操作性もスムーズです。

楽器自体のクセが強くなく、その分コントロール次第では様々な表現ができそうです。強弱・音色などを奏者のコントロール次第で幅広く作ることができます。奏者に委ねられる部分は大きいですが、その分自由度が高いので演奏表現の柔軟性が非常に高いと感じました。初心者の方よりは基礎力が身についている経験者の方向けの楽器のように感じます。大きな音を出す際は音の方向性が変わる感覚があるので、そこを少し意識すると良いと思います。

演奏者のポテンシャルがダイレクトに現れる分、基礎力があり総合的に安定している人なら、幅広い表現力でオールラウンドに使える1本では無いでしょうか？」

Courtois(クルトワ) AC420MBO 商品詳細ページはこちら！

今回のトロンボーンレビューは以上！！コメントと動画が皆様の楽器選びの参考になれば幸いです！！

それぞれに違った個性があり、奏者によって感じ方や好みの音色も異なります。まずはご自分でも試奏して違いを体感いただくのが楽器選びの第一歩です！

また、とりあえず楽器を持っていみたい・・・という方には特価商品や中古楽器もおススメです。

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